【妊娠】妊娠初期に気を付けるべき感染症について調べた

妊娠初期に気を付けるべき感染症を調べました。

感染症にかかると妊婦自身だけでなく、胎児にも影響する場合があります。

 

 

カンジダ膣炎(ちつえん)

英語表記

Candida vaginitis

気を付ける時期

妊娠 8~36週

解説

妊婦さんの半数以上がなると言われます。

真菌というカビに一種が原因です。

抵抗力が落ちた時に発症しやすいです。

治療法

膣座薬

胎児への影響

出産までに完治しないと分娩時に産道感染して、赤ちゃんの口の中が白くなる鵞口瘡(がこうそう)になったり、おむつかぶれがひどくなることがある。

 

インフルエンザ

英語表記

influenza

気を付ける時期

妊娠 4~36週

解説

インフルエンザウィルスに感染して発症します。

妊娠中にインフルエンザに感染すると悪化しやすいです。

治療法

早期治療が重要なので、病院で受診すると、抗インフルエンザ薬である「タミフル」や「リレンザ」が処方されます。

妊娠の週数を問わずインフルエンザの予防接種を受けることができます。

胎児への影響

お腹の中の胎児の成長や機能に影響することはありません。

しかし妊婦がインフルエンザに罹ると早産率が高くなると言われています。

 

水痘(すいとう)

英語表記

Chicken pox

気を付ける時期

妊娠 4~11週、妊娠 36~39週

解説

水痘(すいとう)とは水疱瘡(みずぼうそう)のことを言います。

水痘・帯状疱疹ウィルスが原因で発症します。

顔や全身に出た発疹が水疱(すいほう)になり、発熱も出ます。

また、出産直前に感染すると重症化することが多いです。

免疫のない妊婦さんは要注意です。

治療法

通常は自然に治ります。

ただし、妊娠中に初感染すると水痘肺炎を併合しやすく、重症化する可能性があるので抗ウィルス薬を使うことがあります。

胎児への影響

妊娠初期に水痘に感染すると生まれてきた赤ちゃんは先天性水痘症候群になる可能性があります。

 

りんご病

英語表記

Slap cheek

気を付ける時期

妊娠 4~36週

解説

伝染性紅斑(こうはん)といい、パルボウィルスが原因です。

頬がりんごのように赤くなり、手足に紅斑ができ、発熱や関節痛などの症状が出ます。

治療法

特別な治療はありません。

時間が経過するのを待つのみです。

胎児への影響

妊娠中に感染すると赤ちゃんが胎児水腫になり、流産・早産を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

 

風疹(ふうしん)

英語表記

epidemic roseola

German measles

rubella

気を付ける時期

妊娠 4~20週

解説

風疹ウィルスに感染して発症します。

身体全体に赤い発疹が出ますが、症状があまり出ないこともあります。

妊娠20週までに妊婦が感染すると胎児にも感染する可能性が高くなります。

初期の血液検査で、妊婦の抗体の数値(風疹抗体価)を確認し、風疹への免疫を確認できます。

治療法

通称「三日ばしか」と呼ばれる風疹は、妊婦自身が感染しても発熱や発疹がある程度で、3日ほどで自然に治ります。

胎児への影響

妊娠20週までに妊婦が感染すると、白内障や難聴、心臓奇形などの先天性風疹症候群という障害を持った赤ちゃんが生まれる可能性が高くなります。

 

クラミジア

英語表記

Chlamydia

気を付ける時期

妊娠 4~36週

解説

クラミジア・トラコマティスという病原微生物が原因で、最近感染者が急増しています。

妊娠中の血液検査で判明します。

自覚症状がほとんどなく、おりものが増える程度です。

症状が進行すると頸管炎(けいかんえん)や絨網膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)になり、流産や早産の引き金になります。

そのため早めに治療しておく必要があります。

治療法

抗菌薬を服用します。

一回服用するだけで完治する薬もあります。

夫婦のどちらかが感染しているともう片方にも感染するので夫婦で治療することが大切です。

胎児への影響

産道感染すると新生児結膜炎や咽頭炎になったり、まれに新生児肺炎になるケースもあります。

 

サイトメガロウィルス

英語表記

cytomegalovirus

CMV

気を付ける時期

妊娠 4~36週

解説

以前は日本人の95%が抗体を持っているキャリアでしたが、最近は若年層に妊娠中に初感染するケースが増えてきています。

発熱やせき、くしゃみなど風邪と似たような症状が現われ、1週間程度で完治するため、風邪と思い込んで気が付かないケースがあります。

定期健診での超音波検査で胎児が妊娠週数に比べて小さい場合に、サイトメガロウィルスの感染を疑います。

治療法

抗ウィルス薬を服用します。

胎児への影響

症状がないですが、感染すると胎児の発育、発達に悪影響を及ぼします。

また、重い障害を引き起こしたり、ひどい場合は胎児が死亡することもあります。

妊娠初期には特に注意が必要です。

 

淋病(りんびょう)

英語表記

Gonorrhea

気を付ける時期

妊娠 4~36週

解説

淋菌という細菌が原因で発症します。

性行為で感染します。

外陰部にかゆみを感じ、黄色く臭いのきつい、膿のようなおりものが増えることがありますが、自覚症状がない場合もあります。

重症になると、子宮内に感染が広がって絨毛膜羊膜炎を発症して、早産や破水を引き起こす恐れがあります。

治療法

ペニシリン系の抗菌薬を内服か注射をします。

再発することも多く、完治まで数カ月かかります。

胎児への影響

産道感染すると結膜炎を引き起こすことがあります。

 

尖圭(せんけい)コンジローマ

英語表記

genital warts

venereal warts

anal warts

condylomata acuminata

解説

ヒトパピローマウィルスが原因で発症します。

いぼのウィルスにより性器から肛門にかけてとがったいぼがたくさんでき、カリフラワーのようになります。

治療法

電気メスやレーザー、凍結治療でいぼを切除した後、抗がん薬を使用します。

胎児への影響

産道感染すると胎児ののどに咽頭乳頭腫といういぼができることがあります。

 

リステリア症

英語表記

listeria meningitis

listeriosis

解説

リステリア菌は、加熱殺菌していないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモンなどの食品を介して感染する食中毒菌です。

リステリア菌が腸管内から血中へ侵入し、髄膜炎や脳炎、敗血症を発症します。

治療法

ペニシリンやエリスロマイシンなどの抗菌薬が使われます。

胎児への影響

胎児に感染すると、流産や死産、新生児髄膜炎になることがあります。

 

トリコモナス膣炎

英語表記

Trichomonas vaginitis

trichomonal vaginitis

vaginitis due to trichomonas

解説

トリコモナスという原虫が原因です。

性行為で感染しますが、銭湯や便器、寝具などから感染することもあります。

最近では妊婦で感染する人はほとんどいません。

治療法

膣の洗浄をします。

また、内服薬や膣座薬を使用します。

胎児への影響

トリコモナス自体は感染しても妊娠・出産に影響はありません。

 

性器ヘルペス

英語表記

genital herpes

解説

単純性疱疹ウィルスに感染して発症します。

このウィルスは完治した後も体内に潜伏するために体の抵抗力が落ちた時に再発することもあります。

治療法

抗ヘルペスウィルス薬の内服や軟膏などで治療します。

1週間ほどで完治します。

胎児への影響

完治せずに出産すると、新生児ヘルペスになる場合があります。

 

 

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