遺言、遺産相続の準備をする

終活の準備を少しずつ進めて、この世での人生に悔いが残らないようにしたいです。発端は「何を不安に思っているのか?」という自分自身に対する問いかけでした。

遺言と相続の違い

相続は、人が亡くなったときに、その人の預金、不動産、株式などの財産だけでなく、借金などの義務も相続人が引き継ぐ仕組みです。

遺言は、自分が亡くなった後、財産を誰にどのように引き継がせるかを、生前に指定しておくものです。

遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容が優先されます。遺言書がなければ、法律上の相続人が話し合う「遺産分割協議」で分け方を決めます。

誰が相続人になるのか

亡くなった人の配偶者は、原則として常に相続人になります。

配偶者以外は、次の順位です。

  1. 子ども
  2. 子どもがいない場合は、父母などの直系尊属
  3. 子どもも父母などもいない場合は、兄弟姉妹

前順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になりません。内縁の配偶者や離婚した元配偶者は、法律上の相続人には含まれません。

相続人法定相続分
配偶者と子配偶者1/2、子全体で1/2
配偶者と父母配偶者2/3、父母全体で1/3
配偶者と兄弟姉妹配偶者3/4、兄弟姉妹全体で1/4
子だけ子ども全体で均等
配偶者だけ配偶者が全部

遺言書がない場合

遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行います。

たとえば、財産が次のような場合です。

  • 自宅:3,000万円
  • 預金:1,000万円
  • 株式:1,000万円

合計5,000万円だからといって、すべてを現金化して割合どおりに分ける必要はありません。

次のような分け方も可能です。

  • 妻が自宅を相続
  • 子Aが預金を相続
  • 子Bが株式を相続
  • 差額を現金で調整

話し合いがまとまったら、通常は相続人全員が署名し、実印を押した「遺産分割協議書」を作成します。

相続人が一人でも欠けた協議や、相続人全員の同意がない協議は成立しません。

遺言書の主な種類

実際によく使われるのは、次の2種類です。

自筆証書遺言

本人が自分で作成する遺言書です。

主な長所は、費用を抑えて手軽に作れることです。一方、形式を間違えると無効になる危険や、紛失、改ざん、発見されない危険があります。

基本的には、本文、日付、氏名を本人が自書し、押印します。財産目録については、一定の条件の下でパソコン作成なども可能ですが、各ページへの署名・押印などの要件があります。

自筆証書遺言は、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用できます。法務局で保管された遺言書は、紛失や改ざんの危険が低く、死亡後の家庭裁判所による検認も不要です。

公正証書遺言

本人が公証人に内容を伝え、公証人が作成する遺言書です。原則として証人2人の立会いが必要です。

費用はかかりますが、形式不備で無効になる可能性が低く、原本が公証役場に保管されます。財産額が大きい場合、不動産や会社がある場合、家族関係が複雑な場合は、公正証書遺言のほうが安全です。

相続税

相続税は、相続財産が一定額を超えた場合にかかります。

基礎控除は次の式です。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

たとえば、法定相続人が妻と子ども2人の合計3人なら、

3,000万円+600万円×3人
=4,800万円

正味の相続財産が基礎控除以下なら、通常は相続税はかかりません。

相続税は単純に「受け取った金額×税率」で決まるわけではなく、いったん法定相続分で分けたものと仮定して総額を計算し、その後、実際の取得割合に応じて各人に配分します。

申告と納税の期限は、通常、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

配偶者には大きな税額軽減がありますが、この特例を使った結果、納税額がゼロになる場合でも、相続税申告が必要になることがあります。

不動産がある場合

2024年4月1日から、相続登記が義務化されています。

不動産を相続したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。また、遺産分割が後から成立した場合は、成立日から3年以内に、その内容に沿った登記が必要です。

期限内に正式な相続登記を行うことが難しい場合は、「相続人申告登記」により、ひとまず基本的な申請義務を履行する制度もあります。ただし、これだけでは不動産の売却などはできず、最終的には通常の相続登記が必要です。

現実的な準備手順

まず財産と負債の一覧を作り、次に法定相続人を確認します。その上で、誰に何を引き継がせるかを決めます。

財産が比較的単純で、相続人同士の争いも考えにくい場合は、専門家に内容を確認してもらったうえで、自筆証書遺言を法務局に保管する方法があります。

一方、資産が多い、不動産や会社株式がある、再婚家庭である、遺留分の問題がある場合は、公正証書遺言を基本に、弁護士・司法書士・税理士へ相談するのが安全です。

法律面は弁護士、登記は司法書士、相続税は税理士が主な担当になります。1人の専門家だけでは完結しないケースもあります。

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この記事を書いた人

ブログに記事を書いたり読み直したりするのが大好きです。自分自身のライフスタイルの向上や学習のために始めました。