モメンタム投資という用語はあまり一般的でないかもしれません。
モメンタム投資とは、株価のトレンド(上昇・下降)に基づいて投資を行う戦略のことです。
この戦略では、上昇傾向にある株を買い、下降傾向にある株を売ることで利益を追求します。私の場合は「売り」はやりません。ひたすら上昇傾向にある株を買うだけです。
モメンタム投資は、短期的または中期的に勢いのある銘柄を見つけ出し、株価の勢いが続く限りそのトレンドに乗ることを目指します。
以前逆張り(株価が安くなった時に購入して反発したら売る)を試したことがあったのですが、下がる株はひたすら下がり続けるということを実感しました。翌々考えてみれば当たり前です。下がる理由があるから下がるのであって、下がったら反発するというのは単なる希望的観測に近いのかなと反省しました。
それ以来逆張りは危険だからやめておこうと思いました。
モメンタム株投資の手順とルール
モメンタム株投資はシンプルなルールにしました。
モメンタム株投資の手順
1.毎月25日にスクリプトを実行する
Google Spread Sheet にGoogle App Scriptでスクリプトを作成します。
スクリプトは単純で現在の株価と過去100日前の株価を比較して何パーセント上昇したか算出してランキングにします。
2.上位3銘柄を分散して購入する
3.上位3位から脱落したら売却する
4.脱落した会社の株を売却したらリバランスをして上位3位を購入する
5.定期的に資金を投入していく
最初の一回だけ資金を投入して終わりではありません。毎月余剰の資金を投入できるだけ投入していきます。モメンタム株に継続的に資金を投入し続ける形になります。
損切ルール(購入価格より10%下落したら売却する)
モメンタム株投資で一番難しいのが出口戦略や損切ルールです。
損切ルールについてはまだ始めたばかりなのでさぐりさぐりになってますが、明確なルール決めが必要です。
定期的にスクリプトを実行してS&P500のトップ3から脱落したら株を入れ替えますが、1か月ルールだと長すぎるのか、もっと1,2週間くらいに短いスパンでスクリプトを実行してチェックするのか、個別に監視するのか決定したいです。
個別の損切ルールとしては購入価格より10%下落したら売却するというルールで運用する。
その他ルール
S&P500に上場したばかりの新企業の株はいくらモメンタムが強くても購入しません。
なぜかと言えば、上場日に最高値を指して一気に落ちることがあります。しかも落ち方もマイナス50%など豪快に株価が下落することもあります。
とにかくS&P500に採用されたばかりの銘柄には株は飛びつかないようにしましょう。
【例】
TPL / テキサス・パシフィック・ランド
S&P500に採用された直後は一気に最高値を付けましたが、その後S&P500に採用される前まで株価が下落しました。つまりモメンタムがあるというより注目されて一時的に株価が上昇しただけです。
モメンタム投資の基本的な考え方
モメンタム投資は、過去の価格変動が将来も続くと仮定しています。つまり、株価が上昇している銘柄は今後も上昇し、逆に下降している銘柄は下落を続けるだろうという考えに基づいています。
この戦略は「トレンドは続く」という仮定のもと、次のような理由で有効であると考えられています。
投資家心理:
- 株価が上昇すると、それを見た投資家が購入を増やす傾向があり、結果としてさらに株価が上昇します。
- 同様に、下落トレンドでは売りが増え、さらに株価が下がる傾向があります。
マーケットの非効率性:
- 市場には情報が反映されるまでにタイムラグがあることがあり、これがトレンドの形成につながると考えられています。
モメンタム投資の手法
モメンタム投資を行う際には、主に以下の方法が用いられます。
- 価格モメンタム:
- 過去の一定期間(例:3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月)の株価変動率を計算し、上昇率が高い銘柄を購入対象にします。
- 簡単な計算例として、12ヶ月前の価格と現在の価格を比較し、価格が上昇しているものを買い、下落しているものを売る方法です。
- 移動平均モメンタム:
- 短期移動平均(例えば50日移動平均)が長期移動平均(200日移動平均)を上回る銘柄は上昇トレンドにあると判断し、買いのシグナルとします。
- 逆に短期移動平均が長期移動平均を下回ると、下降トレンドと判断して売りのシグナルとします。
- RSI(相対力指数)やMACD(移動平均収束拡散法)などのテクニカル指標:
- RSIやMACDなどの指標を用いて、過熱状態やトレンドの転換点を確認します。モメンタムが強い場合は買い持ち、弱くなる兆候が見られる場合には売却を検討します。
モメンタム投資のメリット
シンプルなトレンドフォロー:
- モメンタム投資は、トレンドに乗るシンプルな戦略であり、初心者でもわかりやすいとされています。
短期利益の追求:
- 株価の勢いに乗ることで、短期間で利益を得るチャンスが高まります。
リスク管理がしやすい:
- トレンドが反転したと判断したらすぐに売却するなど、損切りや利益確定がしやすいです。
モメンタム投資のデメリットとリスク
トレンドの持続性に依存:
- トレンドが急に反転すると大きな損失を被る可能性があります。トレンドが終わりを迎えるタイミングを見極めるのは難しいです。
高い取引コスト:
- モメンタム投資は頻繁な売買が必要になることが多いため、取引手数料や税金のコストがかさむ可能性があります。
過熱した相場への投資:
- トレンドの終盤で買い、上昇が止まった時点で大きな損失を出すこともあります。特にバブル相場では、急落による損失リスクが高まります。
モメンタム投資の成功のコツ
指標を活用してトレンドを把握する:
- RSI、MACD、移動平均などを駆使して、勢いのある銘柄を見つけ、エントリーとエグジットのタイミングを計ります。
リスク管理を徹底する:
- トレンドが反転する兆候が見られたら早めに手仕舞う、損切りラインを設定するなど、リスク管理を徹底します。
多様な銘柄に分散投資する:
- 一部の銘柄に集中しすぎると、リスクが偏るため、異なるセクターや銘柄に分散投資するのが有効です。
モメンタム投資に適した市場
- ボラティリティが高い市場:
- トレンドが明確に発生しやすい市場では、モメンタム投資が成功しやすいです。急上昇や急落が多い市場では利益を得るチャンスが多くなります。
- 流動性が高い銘柄:
- 売買が活発で価格がスムーズに動く銘柄が向いています。流動性の低い銘柄では、大口の注文で価格が大きく動くため、モメンタムが安定しないことがあります。
まとめ
モメンタム投資は、株価の勢いを利用して利益を狙う戦略で、上昇トレンドにある銘柄を買い、下降トレンドにある銘柄を売ることで成果を上げようとします。トレンドの持続性に依存するため、トレンドの見極めやリスク管理が重要です。モメンタム投資を成功させるには、テクニカル指標をうまく活用し、リスク管理と分散投資を徹底することが大切です。