不妊症とは? 不妊症の定義

不妊症の結果、体外受精に挑戦し現在妊娠5週目の嫁を支えている夫です。

不妊症とは一体何なのか勉強しました。

 

 

不妊症とは?(不妊症の定義)

不妊症とは、「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、性生活を行なっているにもかかわらず、妊娠の成立を観ない場合」と定義されています。

(日本産婦人科学会編 産婦人科用語集より)

「一定期間」は、世界保健機構(WHO)では2年間としており、日本でもそれにならっていました。

しかし妊娠を考える夫婦の年齢が比較的高い(高齢)米国の生殖医学会では、不妊期間1年以上を不妊と提唱しており、結婚年齢が高くなった日本でも、1年以上妊娠しない場合には不妊と診断し、検査と治療を開始した方がよいという考え方になっています。

 

  • 出産経験があるのに2人目以降を妊娠できない場合 ← 続発性不妊(二人目不妊)
  • 妊娠をしても流産・死産を繰り返す場合 ← 不育症

 

 

 

 

正常な性生活をおくるカップルなら1年以内に80%の確率で妊娠する

正常な性生活を送るカップルなら1年以内に80%の確率で妊娠するようです。

この数字を聞いた時は正直言って信じられませんでした。

嫁と結婚して3年近く不妊治療を受けていましたが全く妊娠できる気がしなかったからです。

人工授精を7回試しても全くと言っていいほど妊娠せずに最終的に掛かりつけのクリニックの担当医から「体外受精」に挑戦するように言われたからです。

今では担当医の方に感謝しています。

担当医の方も大変喜んでくれました。

 

ちなみに正常な性生活を送れば

  • 1年以内に80%の確率
  • 2年以内に90%の確率

で妊娠するそうです。

 

1年以内に妊娠しないカップルを「不妊」と呼ぶ

上でも説明しましたが、1年以内に妊娠しないカップルを「不妊」と呼びます。(以前は2年以内でした)

また、健康な子供を希望する場合は「不妊症」のカップルということになります。

ちなみに、1年頑張って自然妊娠しない場合は、2年目以降は「自然妊娠」しないと考え、何らかの手を打つ必要があります。

何かしら妊娠できない「要因」があると考えなければいけません。

そこで「人工授精」「体外受精」が出てきます。

 

不妊を心配しているカップルが増えている

不妊の心配をしたり、検査や治療経験のある夫婦の割合は、増加傾向にあります。

また、検査や治療の経験のあるカップルの割合も年々増加傾向にあります。

 

妊娠・出産に適した時期

女性の場合は、妊娠・出産に適した時期は「20代」~「30代前半」と言われています。

年齢と共に卵巣機能が低下していきます。

30代半ば以降はハッキリと妊娠率が落ちて、40代で出産できるのは数%と言われています。

ちなみに一般的に35歳以上の出産は「高齢出産」と呼ばれてリスクが高くなります。

 

高齢出産のリスク

  • 妊娠率が下がる
  • 妊娠高血圧症などのトラブルが起こりやすい
  • 流産が起こりやすい
  • 胎児の先天異常の確率が上がる
  • 難産になりやすい
  • 出産時の出血が多くなりやすい
  • 産後の回復が遅い

 

 

 

検査内容

 

基礎体温測定(BBT、婦人体温)

ヒトを含む恒温動物では、体温調節中枢により体温は一定に保たれます。

その上に筋肉収縮などで発生する活動体温が加わります。

一定時間安静にして、つまり朝一番に目が覚めた時の、活動体温の影響が最も少ない時の口腔温を測定して「基礎体温」としています。

 

排卵してプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されると、体温調節中枢に働いて、体温が上昇します。

  • プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌がない時 ← 体温は低い(低温相)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌がある時 ← 体温は高い(高温相)

 

基礎体温表により排卵の有無、卵巣機能の評価、排卵日の推定などが行われます。

 

嫁も毎日基礎体温を測定し続けています。

毎朝7時に体温計のアラームをセットして、脇に挟んで体温を測定する方法ではなく、口の中で(口腔で)体温を測定します。

測定したらグラフにすることでどのタイミングで生理が来るのか、排卵日はいつか、どのタイミングで性交渉を持つのがいいのかを予測できるようになります。

 

 

血中ホルモン測定

低温相(排卵期とも呼ばれる)では、以下のホルモンが測定されます。

  • 黄体ホルモン(LH)
  • 卵胞刺激ホルモン(FSH)
  • エストラジオール(エステロゲン、卵胞ホルモン)
  • プロクラチン(下垂体から分泌される)
  • テストステロン(男性ホルモン)

 

高温相では、以下のホルモンが測定されます。

  • エストラジオール
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

 

エストロゲン(卵胞ホルモン)とは

エストロゲンは、子宮に作用して受精卵のベッドとなる子宮内膜を厚くする働きがあります。

また、乳房を大きくするなど、女性らしい体を作ります。

 

プロゲステロン(黄体ホルモン)とは

プロゲステロン(黄体ホルモン)とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)によって厚くなった子宮内膜を、受精卵が着床しやすい状態に整えます。

また、体温を上昇させる働きがあるので、その変化によって排卵の有無や時期がチェックできます。

 

女性の体は2種類の女性ホルモンによってコントロールされている

女性の体は、卵巣から分泌される

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

の2種類の女性ホルモンによってコントロールされています。

特に生涯を通じて分泌量の変化が大きい卵胞ホルモンは、女性の体と心に影響を与えます。

思春期になると、女性ホルモンの分泌が急激に増えて、初潮を迎え、妊娠・出産に向けての体が作られていきます。

性成熟期(20代~30代前半)には、排卵・月経のリズムも安定し、妊娠・出産に最も適した時期と言えます。

しかし、30代後半から徐々に女性ホルモンの分泌量は低下し始め、40代半ばを過ぎる頃には急激に低下します。

ホルモンバランスの乱れが心身に様々な影響を及ぼし、いわゆる更年期障害を経験される方もいます。

そして50代前後で女性ホルモンの分泌が停止して閉経を迎えます。

 

 

ホルモンの負荷テスト

排卵障害がある場合は、黄体化ホルモン放出ホルモン(LH-RH)テストなどの負荷テストも行われます。

この他、甲状腺ホルモンの測定も行われます。

嫁は「TSH」の値が高すぎたため甲状腺治療に優れた病院に通っています。

 

【体外受精】TSH(甲状腺刺激ホルモン)の値が重要

 

 

 

頸管粘膜検査と性行後テスト(ヒューナーテスト)

排卵期(月経開始後12~15日目あたり)には、卵胞が十分に発育し、エストラジオールが大量に分泌されます。(200 pg/ml 前後)

この影響で子宮内膜は厚くなり(増殖変化)、頸管腺の分泌盛んになり、頸管粘液が分泌されます。

頸管粘液は、膣内に射出された精液から精子が子宮腔へ上昇していくために必要で、頸管粘液を貫通した精子は運動性が活発になります。

 

排卵期に頸管粘液が十分に分泌されているかをチェックします。

また、排卵期に性生活を持った後に来院し、頸管粘液を採取し、頸管粘液中の精子数とその運動性を検査して精子と頸管粘液との適合性をチェックします。

 

経膣超音波検査

卵胞の発育状態、子宮内膜厚測定、粘膜下筋腫の有無などをチェックします。

 

着床期子宮内膜生検

排卵後1週間の着床期に内膜生検を行ない、組織学的に着床環境を調査します。

 

子宮卵管造影法(しきゅうらんかんぞうえいほう)(HSG)

月経終了後、排卵前の低温期(卵胞期)に行われる、子宮内に造影剤を注入し、子宮の奇形、粘膜下筋腫の有無、卵管の閉塞、狭窄、過伸展などを調べます。

嫁も一度「子宮卵管造影法」を受けましたが、体内というより子宮内に造影剤を大量に注入するため、非常に痛がっていました。

ただ、その結果、卵管の閉塞を確認することができたため、「人工授精」から「体外受精」に切り替えました。

 

精液検査

3~4日間の禁欲後、夫の精子を採取して検査を行います。

精液量は2~4mlぐらいが正常

精子数は60~90☓10^6/ml ぐらいが普通です。

20☓10^6/ml 以下を「乏精子症」とし、男性不妊と考えられる。

運動率は 60~80% 程度が普通である。

 

不妊の原因と治療

検査結果から不妊原因を推定し、原因別に治療法を探します。

 

【女性側の原因】

  • 排卵因子 ← 排卵がうまくいかなかったり、ホルモンバランスが崩れている
  • 卵管因子 ← 卵子や精子、受精卵の移動がうまくいかない
  • 子宮因子 ← 受精卵の着床がうまくいかない
  • 頸管因子 ← 精子の運動を妨げてしまう

 

【男性の場合】

  • 精巣因子 ← 精巣でうまく精子を作ることが出来なかったり、精子に問題がある
  • 精路因子 ← 精子の通り道に問題がある
  • 性機能因子 ← 性行動がうまくいかない

 

 


 

 

 

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